「Outliers」からNo.2 Chapter3-4
Practical Intelligenceを伸ばす。子どもの日常に意図的に関与すること。
Mr. C.Lの話を読むと、なんだか胸が痛くなります。
彼はいわゆるgiftedとして生まれてきた人で、普通のIQテストでは測定不可能レベル。
育った家庭環境は最悪。極貧のうえに何人も変わる父親はまともな人がいなく、4人目の父親は高圧的。
そんな彼は高校を卒業後に奨学金で大学に入学。しかし、奨学金の更新に必要な書類の不備で大学を去る。その後働いたお金で再び別の大学に入るが、通学手段に問題が出たことから授業の日程を変更してくれと大学に頼むが拒否され、また大学を去る。
とてももったいない。
彼に足りなかったのはPractical Intelligence。
Practical Intelligence=その状況において自分に求められているものと自分が求めているものの間で、より最適な解決案を見出すことができる能力。
例えば、その状況で自分が何を言うべきかが分かること。どのタイミングで発言するべきかが分かること。どのように伝えるとより効果があるのかが分かること。
Practical IntelligenceはIQで測れるものではありません。IQは先天性なものと思われていて、Practical Intelligenceは自分で獲得するものです。
なので、Practical Intelligenceみたいなものは育った環境で違いが出やすいという結果が出ています。親だったり周りの大人だったりが意図的に関与して育ててあげると伸びていくようです。
C.Lの家庭環境は最悪でしたが、学校の先生や周りの誰か支えてくれる人がいたら、C.Lの未来は少しは変わったのでしょうか。今は彼なりに楽しそうに暮らしているようですが。
これを読んで思うのが、学校に行くといろいろな生徒がいるということです。
どの子も、前の晩に食卓できちんと夕食を食べ、家族と会話を交わして、温かいシャワーを浴びて、寝る時間よなんて言われてベッドに入る。いわゆる“普通の家庭”のルーティーンを経て翌朝また学校にやってくると思ってしまいがちではないですか?
家庭で問題を抱えている子は、他の子供と比べて振る舞いがおかしいことがよくあります。友達や先生との関わり方に問題があったり。忘れ物が多いこともよくあります。あからさまに暴力的な態度で出る子もいれば、全く分からないような子もいます。クラスメートからみたらあの子なんかおかしいよねと思われたり。教師からもただ“おかしい子”と見られてしまうこともあります。
手を差し伸べましょうと言っているのではなく、家庭背景は人それぞれ異なり、特にクラスメートなど他の子どもにとっては想像も付かない状況があることを、大人は再認識しておくことが必要だと思います。